離してよ、牙城くん。

「……ね、もっかいしてい？」



「だ、だめに決まってるでしょ……っ？」






う、うそでしょ……？！

わたしはあれでもうヘナヘナなのに、なんで牙城くんはまだよゆうそうなの？！



……わたしが体力ないだけ？

それにしても……、牙城くんは意地悪すぎない？



ありえない……っ、と唖然とするわたしに、牙城くんは唇を尖らせて抗議してくる。





「だって、せっかく百々ちゃんと両想いになれたんだからさ。実感するためのキスは長めじゃないと足りないじゃん」


「け、けっこう長かったよ……っ？ もう、あれでじゅうぶんじゃ……」




「え、ぜーんぜん？」






とびっきり小悪魔な表情をした牙城くんは。

掠めるようなキスを、わたしの唇に落とした。




「……っな、な、なにして……っ！」


「え？ なにって、キス？」



「いいい言わなくていいよ……っ！」


「えー？」