離してよ、牙城くん。
ぜったい、ぜったい、このひと、わたしのことからかってる……!
だって、語尾に(笑)が付いてるんだもん!
よくないよくない!と怒るわたしの膨れた頰を、ふにふにと牙城くんは触ってくる。
「き、きらいっ……、牙城くんなんて、きらいだもんっ……」
うそだよ、大好きだけど……!
意地悪しすぎる牙城くんは、やだ!
プイッとそっぽを向くわたしに、牙城くんは尚も楽しそうな表情は崩さない。
「何度も大好きって言ってくれた百々ちゃんが俺の目に焼き付いてるのは、なんだろうね? 幻覚かなー?」
「むっ、……それは、現実だけど」
「だよね、じゃ、こんな俺も……、どーなの? 百々ちゃん」