離してよ、牙城くん。

「え、なに？ エスパーって……、どういうこと？」



いや、俺、まったく百々ちゃんの考えてることなんてわからないんだけど。

いつも百々ちゃんの謎行動に癒されてるレベルだし。



開口一番のそれに戸惑う俺。


あたふたしている百々ちゃんはよくわからないけれど、もちろん今日も可愛すぎる。





『うっ、……えと、がじょーくんは、わたしに会いたくて電話してくれたんだよね……？』



集会は大丈夫なの？なんて無難なことを聞かないところが、さすが百々ちゃんだと思う。

俺の心を読めるのは、きみのほうでしょ。





そーだよ、と答える俺に、電話越しで百々ちゃんは小さく声を漏らした。






『あのね……？ わたしがすごく牙城くんに会いたいなぁ……ってスマホを眺めていたら、ちょうど牙城くんから電話きたから……、エスパーだって思ったの』