離してよ、牙城くん。
キョウカショ、マッタクモッテキテナイ ??
…………え?!
それってつまり、勉強する気がないってこと。
うそでしょ、信じられない!
「それじゃあ、鞄は空っぽなの?」
「うん、いちおペンケースくらいは入れてるけど」
ほら、と、離れたところに放ってあった鞄をわたしに手渡してくる。
それを受け取ると……、本当にびっくりするくらい軽い。
これでよく登校できたな……、となんだか逆に感動してしまい、その考えを慌てて消して言う。
「わたしの教科書、貸すからちゃんと授業受けてね……?」
他クラスでよかった……。
そう安堵していると、牙城くんは嬉しそうに頷いた。
「嫌いな学校も、百々ちゃんのためならがんばれんだよなー……」
「え、なにか言った?」
「ううん、なんにも」