離してよ、牙城くん。
『ナギくん、後片付けくらいはやってよ?わかってる?』
「めんど……椎名がやって。次はちゃんと行くから」
『はぁ、マジかよ……。
男に二言はねえぞ?え?』
「二言くらいいいじゃん」
『……トップがこんなんで、そのうち【狼龍】消えるんじゃねぇの本気で』
思ったよりも日常的に椎名さんに丸投げしているようで、椎名さんは呆れたように呟いた。
会話的に、たぶん、椎名さんがツートップ。
細かいことは、彼が仕切っているように見える。
でも、椎名さんもたいがい牙城くんに逆らえないのか逆らわないのか、甘い気がする。
言葉にしなくても在る男の友情、に少しだけ牙城くんに近づいた気がして頰がみっともなく緩んだ。