離してよ、牙城くん。
花葉に玄関まで送ってもらい、そう言葉を交わす。
花葉はもう吹っ切れたという様子で表情が清々しい。
「待って、百々ひとりこんな時間じゃ危ないって!
わたし、百々の家まで送るよ」
「いや、それじゃあ花葉が危ないよ!
わたしは大丈夫。なんたって近いし……」
「百々は可愛いからそういうわけにはいかないの!」
どうしても送ってくれようとする花葉を、必死で止める。
だって、確かに夜道は怖いけれど結局は花葉もひとりになっちゃうもん。
それにわたし、いちおう護身術は習ってるからね。
「……〜〜もう、わかった。
だけど、ぜったい家に着いたら連絡して!わかった?」