俺とキス、試してみる?
「で。
俺とキス、試してみる?」
私の顎を掴み、無理矢理視線をあわせさせる。
レンズの向こうからは愉悦を含んだ目が私を見ていた。
「あ、いや、……遠慮します」
キスしたいなんて思ったのはきっと気の迷い。
このところ忙しくて疲れていたせい。
恋愛感情のない相手と、キスなんてできるはずがない。
「俺は試してみたい」
なぜか彼が空いた手で眼鏡を外す。
傾きながらゆっくり近づいてくる顔を間抜けにもぽけっと見ていた。
あの形のいい唇が私の唇に柔らかく触れて、離れる。
「目ぐらい閉じろよ」
瞼に口付けが落とされ、反射的に閉じる。
すぐにまた、唇が重なった。
感触を楽しむように何度も啄まれ、切なく吐息が落ちる。
その隙を見計らってぬるりと彼の舌が侵入した。
驚いて縮こまったのは一瞬で、すぐに彼を求める。
……キスってこんなに、気持ちいいものだっけ?
あたまの芯が甘く痺れていく。
彼以外のことが考えられない。
……私、別にこいつが好きとかないはずなのに。
けれど心臓はまるで恋に落ちたかのようにどきどきと速く鼓動している。
縋る場所を求め、手は彼のスーツの襟を硬く掴んでいた。
「……」
俺とキス、試してみる?」
私の顎を掴み、無理矢理視線をあわせさせる。
レンズの向こうからは愉悦を含んだ目が私を見ていた。
「あ、いや、……遠慮します」
キスしたいなんて思ったのはきっと気の迷い。
このところ忙しくて疲れていたせい。
恋愛感情のない相手と、キスなんてできるはずがない。
「俺は試してみたい」
なぜか彼が空いた手で眼鏡を外す。
傾きながらゆっくり近づいてくる顔を間抜けにもぽけっと見ていた。
あの形のいい唇が私の唇に柔らかく触れて、離れる。
「目ぐらい閉じろよ」
瞼に口付けが落とされ、反射的に閉じる。
すぐにまた、唇が重なった。
感触を楽しむように何度も啄まれ、切なく吐息が落ちる。
その隙を見計らってぬるりと彼の舌が侵入した。
驚いて縮こまったのは一瞬で、すぐに彼を求める。
……キスってこんなに、気持ちいいものだっけ?
あたまの芯が甘く痺れていく。
彼以外のことが考えられない。
……私、別にこいつが好きとかないはずなのに。
けれど心臓はまるで恋に落ちたかのようにどきどきと速く鼓動している。
縋る場所を求め、手は彼のスーツの襟を硬く掴んでいた。
「……」