わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
「体は温まりました?」
私がそう聞くと、宮燈さんは無表情のまま「熱くなった」と言った。さっきまで冷たかった頬に触れたら、確かに温かくなっていたから「良かったです」と笑った。
私は毛布を奪ってくるまって、ベッドからおりて、用意していたプレゼントを差し出した。宮燈さんが上半身を起こして、両手で受け取ってくれる。
紙袋から中身を取り出して、箱を開けても夫はやっぱり無表情だった。気に入ってくれたかな? と心配だったけど、ちょっとうれしそうだから、大丈夫かな。
「ありがとう。私は何もなくてすまない……」
「宮燈さんが来てくれたのが、一番のプレゼントです!」
私が笑ってそう言って抱きついたから、ますます照れている。可愛いからもっと動揺させてやろうと思って、私から軽くキスをした。
「あのーうれしいときは笑ってもいいんですよ?」
「そうか……そうだな」
宮燈さんが少しだけ笑う。一瞬だったけど綺麗だった。ムラムラする!
今まで痩せていたから自分でも気づいてなかったけど、私はわりと胸が大きい。おっぱいがぽよぽよとわざと当たるように抱き締めていると、宮燈さんが言った。
「桜……頼みがある」
「はい! 何ですか?」
私は「もう一回したい」と頼まれるのかなとワクワクした。けれど、宮燈さんは性欲より他の欲を優先した。
「やっぱりスープか何か、食べ物をくれないだろうか……何も食べていなかったのを思い出した」
「え? いつから食べてないんですか?」
「昨日の夕飯以来、食べていない」
「ええ!? すぐ作りますよ。冷凍してるのがあるから温めます。ケーキもあるから食べましょう!」