わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
06. 橘部長は無責任
杉岡さんが席を外して、戻ってきた時には手にふたつ紙コップを持っていた。
「コーヒーは飲めるかな?」
「飲めますよ! ブラックで飲めますからね!」
何だか子供扱いされてるようで、ちょっとむっとして言うと、杉岡さんが少し笑った。ホットコーヒーを飲んでると、涙がおさまってきた。御礼を言うと、杉岡さんは照れたような顔をする。おっさん、良い人なんだよな……。
「杉岡さんみたいな人と結婚すべきでした。あんな変な人を夫にしたせいで振り回されっぱなしです」
私がそう呟くと、杉岡さんは「君が言うな」と呆れた顔をした。
「君達は似た者同士でお似合いだと俺は思う」
「それって私も変ってことです?」
「自覚がない所もよく似ている」
そう言って笑ったあと、杉岡さんが眉を下げた。
「だから、あの報道が信じられない。それにプライベートだろうが何だろうが、利用して陥れようとしてる輩がいるって分かってるのに。何でこんな隙を見せたんだ、あの人は」
「以前、おっしゃってた派閥争いの事ですか?」
「コーヒーは飲めるかな?」
「飲めますよ! ブラックで飲めますからね!」
何だか子供扱いされてるようで、ちょっとむっとして言うと、杉岡さんが少し笑った。ホットコーヒーを飲んでると、涙がおさまってきた。御礼を言うと、杉岡さんは照れたような顔をする。おっさん、良い人なんだよな……。
「杉岡さんみたいな人と結婚すべきでした。あんな変な人を夫にしたせいで振り回されっぱなしです」
私がそう呟くと、杉岡さんは「君が言うな」と呆れた顔をした。
「君達は似た者同士でお似合いだと俺は思う」
「それって私も変ってことです?」
「自覚がない所もよく似ている」
そう言って笑ったあと、杉岡さんが眉を下げた。
「だから、あの報道が信じられない。それにプライベートだろうが何だろうが、利用して陥れようとしてる輩がいるって分かってるのに。何でこんな隙を見せたんだ、あの人は」
「以前、おっしゃってた派閥争いの事ですか?」