わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
「綺麗な髪だ」
橘部長にそう言われて、腰が震えて力が抜けそうだった。
自分で動いて喘ぎながら見ると、橘部長が無表情のまま呟いた。
「……君の中が、気持ちいい……」
「うれしいです……あ……愛し……」
「まだ君を離したくない」
橘部長が急に雄の顔になって、ゆらゆらしていた私の体を抱えて、ベッドの上に倒す。今度は見下ろされながら奥までゆっくり攻められて今までなかった男性の力強さを感じた。
こんな声出るの? ってびっくりするくらいに甘ったるい声で私が喘いでる。
何も考えられなくて、目の前の橘部長の綺麗な顔だけ見つめていた。少しだけ口を開けていたら、キスされてびっくりした。
キスした。橘部長が私にキスをした。
無表情だったけど、眼の奥に性愛がある気がする。
橘部長の愛。
もうセックスしてるんだから、順番が逆な気がするけど、キスされた私は動揺していた。今更になって心臓が高鳴る。
私はこの人が好きだ。この人がいなかったら、きっと就活やめていた。突っ走って、疲れて、やめて、多分立ち直れなくて、不本意な企業へ行ってただろう。
私は橘部長が大好きだ。
そう思ったらもう体が熱くて、何かが溢れてとまらなかった。橘部長の手が私の胸に触れた時、脳のどこかが蕩けた。
「……すき、私、橘部長が、好きです……あっ!」
橘部長が愛撫しながら、さらに奥へと攻めてくるから、私の喘ぎ声が大きくなって、広い部屋に響き渡る。もっと触って欲しい。もっと。
生まれて初めての絶頂を迎えて背がのけ反っていく。私の中に体温を感じて、何故か愛おしさが増す。気持ちよすぎる。
……あ、やべっ。どのタイミングで避妊するかわからなかった。やべっ。