わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
「あ! そうだ! 誤解して叩いたことを謝らないと。ごめんなさい。でも浮気じゃないなら『私よりずっとお似合いです』って言ったら『そうなんだろう』って返すなんて酷くないですか?」
「ああ……君以外の女とお似合いだと言われて苛立った。心にもない事を言って悪かった」
宮燈さんがやけに素直に謝るから少しびっくりした。本当の気持ちを言わなかったのは私も同じだ。私もお似合いだなんて思ってなかった。
「私もです。ごめんなさい……」
うなだれていると、宮燈さんの手が頬に触れた。顔を上げると、すぐそばで私を見つめている宮燈さんの綺麗な顔。無表情だけど、何だかさっきから空気が優しい気がする。
「宮燈さんにもうひとつお願いがあります」
「何だ?」
「仲直りのちゅーしてください」
私がそう言うと、宮燈さんが私の額や頬、口の端、それから唇に軽くキスをしてくれた。
「もっと、してください」
首に腕を回して私がそう言うと、無表情のまま深くキスされた。舌を絡ませてると背中がゾクゾクするのなんでだろ? 体が熱くなってくる。ちゅ、ちゅ、と音がして、恥ずかしいけど気持ちいい。角度を変えながらずーっとキスしていた。