わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
12. 橘部長が告白する
フロントでチェックインしていると、宮燈さんの社用の携帯に杉岡さんから着信があったので、宮燈さんに言われて私が電話に出た。
『君が出た……ということは元の鞘に収まったんだな?』
「ご心配をおかけしました」
私が笑っていると、電話の向こうからまた五秒くらいの大きなため息が聞こえた。電話をかわった後、宮燈さんは杉岡さんと月曜日の打ち合わせをしているみたいだったから、しばらくの間、私はロビーのソファに座ってそれを眺めていた。今、お仕事モードになってるから三割増しでカッコイイなあと思いながら。
「杉岡さん、ありがとうございます。それは是非、お願いします」
表情が緩んで、宮燈さんが丁寧語で話している。プライベートモードになってる? と思って「どうしたんですか?」と聞いたけど、宮燈さんは目を伏せるだけで答えてくれなかった。
タクシーで移動して、私がワンピースを買った商業施設で靴を選ぶ。宮燈さんにどれがいいかアドバイスを貰おうとしたけれど、全部「可愛い」というから全く参考にならなかった。少し迷ってショートブーツにした。これで足首寒くない!
宮燈さんにお願いして、そこからの移動は路面電車を使った。知らないはずなのに、何故か電動機の音が懐かしく感じて好き。
混んでいたから窓際の手すりに掴まると、宮燈さんが私を守るように立ってくれて(え、なにこれ美味しい……)と思った私は、新地中華街停留場に着くまでの間ずっと、動悸息切れに悩まされた。
『君が出た……ということは元の鞘に収まったんだな?』
「ご心配をおかけしました」
私が笑っていると、電話の向こうからまた五秒くらいの大きなため息が聞こえた。電話をかわった後、宮燈さんは杉岡さんと月曜日の打ち合わせをしているみたいだったから、しばらくの間、私はロビーのソファに座ってそれを眺めていた。今、お仕事モードになってるから三割増しでカッコイイなあと思いながら。
「杉岡さん、ありがとうございます。それは是非、お願いします」
表情が緩んで、宮燈さんが丁寧語で話している。プライベートモードになってる? と思って「どうしたんですか?」と聞いたけど、宮燈さんは目を伏せるだけで答えてくれなかった。
タクシーで移動して、私がワンピースを買った商業施設で靴を選ぶ。宮燈さんにどれがいいかアドバイスを貰おうとしたけれど、全部「可愛い」というから全く参考にならなかった。少し迷ってショートブーツにした。これで足首寒くない!
宮燈さんにお願いして、そこからの移動は路面電車を使った。知らないはずなのに、何故か電動機の音が懐かしく感じて好き。
混んでいたから窓際の手すりに掴まると、宮燈さんが私を守るように立ってくれて(え、なにこれ美味しい……)と思った私は、新地中華街停留場に着くまでの間ずっと、動悸息切れに悩まされた。