わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
私の心配をよそに、宮燈さんは事前に調べていたのか、迷うことなく紹介されたお店を目指して歩いていた。夕食時だったので行列が出来ていたけれど、予約していたからすぐに案内してもらえた。
個室は上階にあるから、エレベーターで移動する。狭いエレベーターだったので、距離が近くてまたドキドキした。初めて会った時を思い出して、私はやっぱりこの人が好きなんだなーと思っていた。
個室にはお馴染みの回転テーブルがあり、窓際には壺や置物が並べてあって、見ているだけでも楽しい。
コースの最後は通常は炒飯だけど、お願いしたら韮菜拌麺に変更できるそうなので「もし可能であれば」と聞いてみたら、快く引き受けてくださった。多分、杉岡さんからも事前に連絡してあったんだと思う。楽しみでニコニコしていると、宮燈さんが少し笑う。綺麗だ。
本格的な中華料理なんか食べたことがない私は、前菜から「美味しい!」を連発していた。小食だから、コース料理を食べきれるかなと心配だったけど、給仕されるとあっという間に食べていたから向かいに座っている宮燈さんが面白そうに笑う。え、好き……。
「角煮をはさむ、このお饅頭も美味しいです」
どうやったら、こんなに美味しく出来るんだろう。プロって凄いなあ~そういえば宮燈さんもお料理が上手だから、同居したら教えてもらおうかな~と思っていた。