わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
03. 橘常務を観察したい!
入社式の朝は、宮燈さんが朝食を作ってくれた。
「はあ、美味しい。幸せ。二人でごはん食べるの楽しいですね」
私がそう言ったら、宮燈さんが少し笑った。え、もう大好きなんですけど。
気まぐれに宮燈さんが料理した時に、私が「やっぱり美味しいー! 幸せになるー!」と叫んでから、時々作ってくれる。嫌じゃないかな、と心配したけど、楽しそうにしてるから大丈夫なのかもしれない。
食後に二人で身支度をした。実はこの日のために、私と宮燈さんはスーツをお揃いにした。といってもメンズとレディースでは型が全然違うし、生地はブラックのシャドーチェックだからよく見ないと分からないとは思う。
でも既製品と違って、採寸して作ってもらったフルオーダーだから、体にぴったりだった。
「どうですかー? カッコイイ?」
くるくる周りながら私がそう聞くと、宮燈さんが「可愛い」と言いながら私を抱き寄せる。近い。美形が近い。今日もお肌綺麗。
「カッコイイになりたいんですけど」
私が見上げていると、宮燈さんは氷の美貌で私に向かって「愛してる」と言った。
「ありがとう、私も愛してる。……でも、宮燈さん、愛を囁くならそこは笑顔でお願いします。今日も笑顔、笑顔~!」
そう言ったのに、相変わらず宮燈さんは無表情だった。でもちょっと楽しそうにしている。私の髪を撫でながら言った。
「君を妻に欲しい」
「もう結婚してますよ」
「隠したくない」
「……そうですね、今日からはもう隠さなくていいですね」
予想される諸先輩方の反応が、かなーり怖いけど、仕方ないから受け流すしかない。
社内では必ず「橘常務」「橘さん」と呼び合うことも決めた。隙を見せないように、杉岡さんから「必要以上に会話するな」とも言われた。私の存在が宮燈さんの足を引っ張る、なんて事になりたくないから、周りにも認めてもらえるようにお仕事を頑張ろうと思う。
「はあ、美味しい。幸せ。二人でごはん食べるの楽しいですね」
私がそう言ったら、宮燈さんが少し笑った。え、もう大好きなんですけど。
気まぐれに宮燈さんが料理した時に、私が「やっぱり美味しいー! 幸せになるー!」と叫んでから、時々作ってくれる。嫌じゃないかな、と心配したけど、楽しそうにしてるから大丈夫なのかもしれない。
食後に二人で身支度をした。実はこの日のために、私と宮燈さんはスーツをお揃いにした。といってもメンズとレディースでは型が全然違うし、生地はブラックのシャドーチェックだからよく見ないと分からないとは思う。
でも既製品と違って、採寸して作ってもらったフルオーダーだから、体にぴったりだった。
「どうですかー? カッコイイ?」
くるくる周りながら私がそう聞くと、宮燈さんが「可愛い」と言いながら私を抱き寄せる。近い。美形が近い。今日もお肌綺麗。
「カッコイイになりたいんですけど」
私が見上げていると、宮燈さんは氷の美貌で私に向かって「愛してる」と言った。
「ありがとう、私も愛してる。……でも、宮燈さん、愛を囁くならそこは笑顔でお願いします。今日も笑顔、笑顔~!」
そう言ったのに、相変わらず宮燈さんは無表情だった。でもちょっと楽しそうにしている。私の髪を撫でながら言った。
「君を妻に欲しい」
「もう結婚してますよ」
「隠したくない」
「……そうですね、今日からはもう隠さなくていいですね」
予想される諸先輩方の反応が、かなーり怖いけど、仕方ないから受け流すしかない。
社内では必ず「橘常務」「橘さん」と呼び合うことも決めた。隙を見せないように、杉岡さんから「必要以上に会話するな」とも言われた。私の存在が宮燈さんの足を引っ張る、なんて事になりたくないから、周りにも認めてもらえるようにお仕事を頑張ろうと思う。