わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)

14. 橘部長は朝からxxx

 真夜中に目が覚めた。ふかふかの上質なベッドで熟睡したのか、なぜかぱっちりと目覚めた。
 ただ、意識は覚醒しているけれど、しばらく体が動かなかった。何度も何度も絶頂させられて、体中が痛い。特に腹筋と腰が痛い。

 アルバイト中はずっと立ちっぱなしだし、清掃等で結構筋肉はついていると思う。それでも橘部長に抱かれた後は、何だか全身が怠いから、えっちする時は日常生活で使うのとは違う部分の筋肉をつかってるんだろうなあと考えていた。

 そーっと体を起こしたら、橘部長は隣で静かに眠っている。

 やべっ。寝顔も美しい。やべっ。何これ。この造形は神の所業だわ。

 写真撮っとこうかなと思って、もしかして橘部長も、私が寝てる間になんか変な写真とか撮ってないかなと心配になった。起きたら確認しておこうと思う。

 明日、橘部長のご実家へ行って、今度は私がご挨拶をする立場なのだけど、一体どんなお母様なんだろうか。男の子は女親に似るって言うから、顔とかそっくりなのかな。橘社長も私のために東京から京都に戻って来てくださってるそうなので、ちょっと緊張する。

 改めて、眠ってる橘部長の顔を見て、やっぱり社長とは似てないよねえと思う。
 以前、自分の名前について「唯一、父から貰ったもの」と言っていた。短時間しか話していないけれど、社長はそんな冷たい人には見えなかった。むしろ優しそうで素敵な人だなと思った。

 考え事をしていると、おなかがすいて、ますます眠れなくなってしまった。
 私はベッドからおりて、ガウンを羽織り、隣室にある荷物をごそごそと漁っていた。私のバッグにおやつがあったはず。
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