わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)

 黄色い向日葵に、落ち着いた空色の帯。さっき着たばかりの浴衣を、するすると脱がされて、足元にそれが滑り落ちていく感触さえ気持ちいい。下着はつけてなかったから、少し寒くて宮燈さんにくっついた。あったかくて何だか落ち着く。そう思ってたら、またひょいと抱えられた。


 お布団はふかふかだったけど、古いベッドは、私たちが身動ぎする度にギシギシと軋む。それがとても卑猥に響く。

「なんか、恥ずかしいです」

 緊張してぷるぷる震えている胸を、息がかかる程近くで見られていた。舌が触れると全身が痺れそう。優しく口に含まれて嬉しくて喘いだ。

 濡れてる私に宮燈さんの指が触れる。優しく撫でられて私が喘ぐと、さらに奥を犯されて、探るように動かされる。

「あっ、あっ……あぁっ」

 舌で胸を愛撫しながら、指で敏感な所に触れてくる。同時に与えられる快感にびくびくと腰が跳ねた。甘くて痺れそうでおかしくなるんじゃないかと思った。

「あぁぁっ!」

 ガクガク震えたあとに、力が抜けてだらっとした私の両足を抱えると、宮燈さんが言った。

「いく時は言って欲しい。やり過ぎないようにするから」
「ん……がんばります……」

 わからなくなりそうだけど、ちゃんと言わないとめちゃくちゃに壊されそうでこわい。それくらい、今の宮燈さんは何か違う。

 色情と愛情は似てるけど違う。
 性愛も愛だけど、それだけじゃない。
 宮燈さんはもう自分の情欲を隠してない。寂しがりの飢えた子に、私は全部食べられてしまいそうな気がする。宮燈さんが満たされるまで、喰らい尽くされる気がする。


 待ち望んでいたから、それだけで快感が弾けてしまいそう。浅い所も気持ちいいから、腰を揺らしていると宮燈さんが笑った。

「綺麗だ、桜。淑やかで淫らで」
「あっ、あぁ……!」

 激しくなってくると、私は喘ぐ事しか出来なかった。言語も思考もなくなる。宮燈さんのことだけ見ていたらいい。

 ベッドの軋む音。
 宮燈さんの吐息。
 私の嬌声。

 ただそれだけ。何も考えなくていい。とても幸せ。
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