わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
海老や帆立はアルバイト先のまかないでたまに食べるけれど、食感や味わいが全然違う。
「美味しいです~凄いです! 食べたことないけど、きっと高級旅館の懐石料理もこんな感じですよね! 旅行してるみたい」
私が笑っていると、宮燈さんが無表情のまま言った。
「旅行……新婚旅行を忘れていた」
「とりあえず、入社式までは無理ですよね。来年のゴールデンウィークとか?」
来年、私たちはどうなってるんだろう? 同じ会社で働くことになるのだけど、宮燈さんはそんなに変わらない気がする。
鰈の西京焼きや合鴨ローストも美味しくて、お赤飯と一緒にぱくぱく食べた。六方に飾り切りされた里芋も綺麗で美味しい。
出汁巻き玉子を食べたとき、宮燈さんが作ってくれた玉子焼きに似てると思った。
きっとこれはお母様のご実家からなんだろうな……。
美味しいご飯に満たされて、感謝して両手を合わせていると、残ったお赤飯(※大量)を片付けながら宮燈さんが言った。
「趣向を変えようか」
意味がわからなかった。でも、その場で下着だけを脱がされて、後ろから大きな手で乳房を包まれて、胸の先端を弄ばれ、自分の置かれた状況がわかった。
「ここで? 変態! どすけべ部長! エロ常務!!」
「変な肩書きがひとつ増えたな……」
「やだぁ! いやあっ」
抵抗したけど首に口づけされて力が入らなくなる。宮燈さんの手が腹から下へとおりていくから、顔が真っ赤になるくらい恥ずかしかった。