わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)

19. 浮く、そして向日葵

 台所には流しとコンロ、その向かいに小さな冷蔵庫と食器棚がある。そしてこの、何の変哲もない食卓で、さっき食事をしたばかり。

「……本気ですか?」
「誰もいないから、いいだろう」
「だっ、誰かいたら大問題ですっ!」

 浴衣の上から左手で胸に触れる。いやだと言いつつもやめて欲しくないから、私はなされるがままになっていた。

 宮燈さんの右手の指は私の中をかき回して、敏感な所に触れる度に、体がびくっと揺れてしまう。
 テーブルに手をついていないと、崩れてしまいそう。
 左手が衿を開いて直接肌に触れてくる。それだけでゾクゾクしていた。我慢していても甘く息が漏れて恥ずかしい。

「あぁっ、いきそう……無理、もう立てない……」

 膝も腿もぶるぶると震えている。力が入らなくて上半身がテーブルに倒れたけど、宮燈さんは愛撫をやめてくれなかった。快楽の波が押し寄せて、意識がさらわれる。怖くなるくらいの浮遊感が私を飲み込んでいく。

「ああぁっ……!」

 脱力していたら腕を引かれて強引なキスをされた。抱き寄せられて体が浮きそう。
 もう浴衣は(はだ)けて、胸も肩も顕わになってるから心細い。
 心臓の鼓動がどんどん早くなる。散々貪られてやっと解放されて息をしてると、テーブルの上に上半身をうつ伏せにされた。浴衣の裾を捲りあげられたから、浅く息をしながら振り返って必死でお願いした。

「ここ、だめっ。ごはん、食べるところだから、よごしちゃうの、いや」
「汚さないように全部受けとめてくれ」

 少し入れられると、その先を期待してしまう。奥へ奥へと、ゆっくり探るように抉られる。優しく揺さぶられて、もっと激しくして欲しくて、私は腕に力を込めた。



 ……体を離されて、テーブルにうつ伏せながら深呼吸をしてると、段々と意識が戻ってきた。腕にかかっているだけの浴衣を肩まで引っ張りあげる。いつの間にか行為に没頭していた。恥ずかしい。

「だめです。お行儀が悪いですっ! こんな所でするのは……」

 私がそう言うと「じゃあベッドなら何度でもいいんだな?」と返され、また抱えられて私室へ連れていかれた。エロ常務!!
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