わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
……私にだけ向けられる優しい視線を思うと、私の独占欲も充たされる。
吉岡が私達に干渉してきたのも許そうと思った。
素敵でしょ? でもごめんなさーい、私の夫なんです!
我ながら意地悪だと思うけど、そうでも思わないとやってらんない。モテる夫を目の当たりにしても、そのうち慣れて平気でいられるようになるんだろうか。それともずっと痛みは続くのかな。心が疲れちゃうからなるべく平静でいたいのに。
「何を考えている?」
「この先もずっとやきもち焼くのかなって。宮燈さん、モテるから」
少し拗ねて私が言うと、宮燈さんがベッドに乗ってきて私を抱き締めた。スプリングが軋んで揺れて、そのまま押し倒された。宮燈さんは、私の胸に顔を寄せて軽くキスしてる。さっき自分がつけた鬱血痕を指でなぞりながら宮燈さんが言った。
「……私は君のものだ」
「うわあ、そういう台詞をさらっと言えるの凄いです」
「私の心は全部君に持っていかれた。私は君のものだ。私が好きなのは君だけだ、桜」
……今の録音しておけばよかったな。そうしたら、不安になったら何度も繰り返し再生できるのに。
切なくなってる私の胸に口付けている宮燈さんが可愛くて可愛くて仕方ない。首も胸も腹も、さっき痣をつけられて痛む内腿も、舌で優しく愛撫された。