わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
声を出さないように耐えながら痙攣している私を眺めて、宮燈さんが無表情のまま言う。
「"されること"に慣れてきた?」
私は首を横に振った。慣れてきたと思っていたのに。
「まだ慣れないか。可愛いな、桜は」
そう言いながら、全然力が入らなくなった私の足をさらに押し広げる。
「入れるぞ。声を出すのは我慢しろ」
宮燈さんの声だけでまた達してしまいそうだった。潤んでる私の中にゆっくり入ってくるから、心臓が早くなって身体中の細胞が沸騰していく。
私の胸の上で、宮燈さんの前髪が揺れる。宮燈さんの息があがってきて、少しだけ表情が乱れてくる。可愛い、愛おしい。宮燈さんの髪を撫でて、背中を撫でて、私は声を殺して喘いでいた。
綺麗だなぁと、夫にうっとり見惚れていたら、突然ベッドサイドの電話が振動した。宮燈さんの仕事用の端末。
低い声で呻いてから、宮燈さんが珍しく苛立った顔をした。
「……すまない、切り忘れていた……」
まさか、また放置されるの?!
そう思ったけど、このあと、放置された方がマシだった、と思う目に合わされた。