わかりました、結婚しましょう!(原題:橘部長を観察したい!)
昨夜の二次会的な集まりは結構盛り上がったらしく、そのあとも仲の良い者、気の合う者たちは、誰かの部屋に集まって夜通し飲んだりしたそう。早紀ちゃんも女の子で集まっていたらしい。
「楽しかったよ~。桜ちゃん、懇親会も途中で抜けちゃったもんね。良かったら今度、一緒に飲もうね~」
私と早紀ちゃんが二人で話しながら朝食を食べていると、後から食堂に来た女子のグループにあからさまに避けられてしまった。多分、吉岡に面と向かって悪態をついてしまった話は、面白おかしく一般職内定者に伝わってるんだろう。苦笑しながら早紀ちゃんが言った。
「まあ、言動には注意した方がいいよ。足の引っ張り合いだからさ」
「私、すぐ口が滑るから怖い……。もう誰ともしゃべらないようにする」
「そうだねえ、桜ちゃんは結構正直だよね。この前の研修の時も、ディベートで回答ずれてた奴をコテンパンに論破してたじゃん」
「そんなことした?」
「桜ちゃんは声が可愛いし、話し方が優しいから、冷静に反論されると逆に怖いんだよね。まあ、私はそこが好きだよ」
早紀ちゃんがにっこり笑ってくれたから、一人でも味方がいるならまあいいかと思うことにした。早紀ちゃんはあとから来た他の女子ともお喋りを始めたから、私は先に部屋に戻ることにした。明日がゼミだから、私は早めの新幹線で京都に戻って準備をしないといけない。