永遠に咲け
永久の支配
「失礼いたします。
咲愛様、明日の会議のことでこちらの書類に目を通しておいていただきたいのですが………」
ノットの音がして、中森が部屋に入ってきた。

中森は永久がいるのをチラッと横目で見て、咲愛に書類を渡した。
「なんで今?しかもそれ、兄貴の仕事だろ?」
「今回は私もメインで参加してるの」
「ですから、咲愛様にも確認をお願いしてます」
「へぇー」
中森の咲愛を見つめる視線。
その優しく穏やかな目を見るだけで、中森の咲愛への想いがわかる。

「咲愛」
「え?何?
ちょっと待って!もう少しで確認が終わるから」
「俺を見て?」
咲愛の頬を軽くつねる。

「うん、ちょっと待って」
「一緒にいるのに……」
「うん」
「キスしていい?」
「うん」
「いいの?」
「うん」
「じゃあ…遠慮なく……」
永久は咲愛の顔の前に覗き込むように、顔を持っていき口唇をハムッと食べた。

「んっ!
何!?お兄様、急にやめて!中森さんもいるんだよ!?」
「キスしていいって言ったよ、咲愛」
「………え?そんなこと言ってないよ」
「言った。だからさせて?」
上目遣いの永久。
「だから、その目…やめて…お兄様……」

「永久様!」
「は?」
「今はお仕事中です。もう少し位お待ち下さい。
それに…あまり咲愛様を困らせないで下さい!」
「………フッ…それ、嫉妬?」
「は?」
「いや、別に~!」
「……?お兄様?」
「ううん、それより資料の確認は?」
「終わったよ。
中森さん、これで大丈夫!」
ニコッと微笑み、資料を渡す咲愛。

「あ、はい。ではこれで進めますね」
「うん、お願い!」
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