永遠に咲け
「んー、美味しい~!」
咲愛は今日は休日の為、里花とランチに来ていた。

「でしょ?
旦那とよく来てたんだぁ~」
「“旦那”だって!
フフ…なんか、素敵…!」
里花の何気ない一言に、微笑む咲愛。

「あ…
フフ…なんか、嬉しくて……
ずっと陰でこそこそ生きていくと思ってたから」
「陰かぁ…」
「咲愛?
あ、ごめん……咲愛も今…」
「あ……いいの。
覚悟はしてるし、私ほんとに里花が結婚できたこと嬉しいんだよ!
ずっと、辛い思いをしてたんだから」
「ほんと、感謝してるよ。
咲愛と永久さんのお陰で、ここまでこれたから!
だから今度は、私が二人にできる限りの事をしたい!」
里花も微笑んで、咲愛の手を優しく握った。
「うん…ありがとう!」

今二人がいるイタ飯はカップル客に人気で、休日なのもありカップルで賑わっていた。
咲愛は何気なく、周りを見渡した。
「みんな…いいなぁ。
普通にこうやって食事をして、話をして笑い合って……
でも…この中にもいるのかな?
辛い恋をしてる人……」
「いるんじゃない?」
「え?」
「どんなに幸せそうに見えても、二人の間に色んな事があると思う。咲愛だって、幸せそうに見えるよ。
でも…ほんとはとっても辛い思い、してるでしょ?」
「そうだね……時々ね…
お兄様のこと“永久”って、名前呼びたいなって思うんだ。そうゆう普通のことしたいなって」
咲愛は頬杖をついて、パスタをフォークに巻きつけた。
「そうね…なんかいい方法ないかな…?考えとくね!」
そう言って、里花もリゾットをパクッと食べた。

「あれ?里花?」
「………あっ、ノブ?」
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