永遠に咲け
瞬間━━━抱き締められた、咲愛。
「お兄様…苦しい……それに、少し痛い……」
「うん…」
「お兄様…お願い……」
「このまま…放れられなくなったらいいね……」
咲愛はみるみる目が潤み、涙が溢れていた。

「お兄様」
「ん…?」
「どうして……私の心、奪ったの?」
「え?」
「どうして、あなたはお兄様なの?
私は……大河家に生まれたの?」
咲愛は、永久に言葉をぶつけていた。
永久に抱き締められたまま、永久の温かさや匂いに触れたらもう……止まらなかった。

「出逢う為だよ」

「え……?」
咲愛は永久の腕の中から見上げ、問いかけた。

「………俺達二人が出逢う為に、俺も咲愛も大河家に生まれたんだよ。
俺と咲愛だから、惹かれ合ったんだよ。
いつも言ってるよな?
俺達は二人で一つ。
そうじゃないと、永遠に咲けないって!」

「お兄様…」
「だから、何があっても放さない。
俺達は放れられないんだ」
「うん…」
「ねぇ…抱かせて?
また、何もわからなくなる位に……
俺と一緒に、狂って?」

「ンンン……」
ベットの上で組み敷かれ、身体中貪られる咲愛。
「咲愛……咲愛…
足りない……足りないんだ…
何度、咲愛を抱いても足りない。
好きすぎて、ずっと繋がってひとつでいたい」
「はぁはぁ…あ…んぁぁ……お兄、さ……永久…」
「……っつ…咲愛…」
咲愛の涙を拭う、永久。
永久も、涙がつたっていた。

何度も果てて、永久の腕枕で眠っている咲愛。
「確かに……俺は、魔物かもな……」
咲愛の前髪を優しく払う。
「俺が…」
そして、咲愛の小さな手に指を絡ませ握った。
「咲愛を狂わせてる……
でも……放せないんだ…」

「ごめん…ごめんな…!」
そして永久はひたすら、咲愛の頭を撫で続けていた。
< 28 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop