永遠に咲け

永久の崩壊

｢どこだ！？
どこにいる！？｣
｢え━━？
永久様！？｣
｢言え！咲愛はどこだ！！｣
急に、元美に詰め寄る永久。
｢ちょっと、永久！やめろ！｣
黒谷が慌てて、止めに入る。
｢……るせー！早く、教えろ！？｣

｢確か、7番席に……｣
｢連れていけ！今すぐに！！｣
物凄い圧迫感だった。
元美は初めて、永久のそんな恐ろしい顔を見たのだ。

｢は、はい……｣
｢あ、でももう…お帰りになるって……｣
他のホステスの言葉に、永久は出入り口に駆け出した。

そこで見た光景に、永久の嫉妬心を越えた怒りが爆発する。
自分の愛してやまない咲愛が、自分以外のしかも中森に抱かれている。

｢中森！！｣
｢え？永久…様｣
｢お前…何を……咲愛を返せ！！｣
凄まじい怒りの表情。
周りのホステスや、客達が恐怖で固まる。

｢咲愛様、永久様のところへ行きましょう｣
｢嫌！！このまま、車に連れてって！｣
そう言って更に、中森の首に抱きついた咲愛。
｢え……？咲…愛様？｣
｢━━━━━！｣
誰もが、その咲愛の言葉と行為に驚愕する。
そしてそれは、永久の怒りを増幅させるのに十分だった。

｢咲愛…おいで…？
早く……俺が壊れる前に…早く…！！｣
咲愛は一向に動こうとしない。
｢永久様、とりあえず…車へ｣
中森が、静かに答える。
今にも殴りかかりそうな、永久。
｢永久！ここではダメだ！
咲愛様の為にも堪えろ！｣
黒谷の耳打ちに、少しおとなしくなった永久だった。

そして黒谷がママに、
｢今日のことは、他言無用でお願いします。
特に、旦那様には！
もし、誰かに言ったら……わかりますよね…？｣
と耳打ちする。

｢はい。もちろんですわ。
ご安心を……｣
ママの言葉に、頷き店を後にした。