永遠に咲け
永久は、咲愛の服を全て脱がせ裸にした。
身体中にある、永久のつけたキスマーク。
それをひとつひとつ、なぞった。

「なんで…
中森に……
すがったの?
………咲愛は、俺の恋人でしょ?
俺達は、二人でひとつ━━━━
永遠に咲こうよ……!」

ふと、ある光景が甦った。

【やめて!永久くん!
私が愛しているのは、永一さんなの……!】

百合愛だ━━━━━
全てそこから始まった。

それは永久が、14歳の時だった。
当時百合愛は、34歳。
百合愛は“女神”という言葉がぴったりな位、美しい女性だった。
たまたま偶然、百合愛の風呂上がりに出くわし下着姿を見た。
その日の事は今でも鮮明に覚えている。
あの日、身体が一気に反応したのだ。

その日からもう…百合愛の事が頭から放れない。
百合愛は、永一の妻で義理の姉。
でも、心は奪われていく。

そして高校を卒業した、18歳の春。
百合愛に思いを伝えたのだ。
百合愛を押し倒し、抱こうとした永久に百合愛は先程の言葉をぶつけたのだ。

永久がヤクザになったのも、これが最大の原因である。

ただ、勘違いしないでほしい。
今、愛しているのは間違いなく、咲愛。

でも、きっかけは“百合愛”だ。

どんどん百合愛に似ていく、咲愛。
永久の心はどんどん、奪われていったのだ。

あの時の百合愛とそっくりな咲愛が、百合愛と同じように自分を拒否した。
それは、永久にとって耐え難い苦しみ。

「さぁ…どうやって、壊そうかな…?」
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