永遠に咲け
「永久…何してるの?どこに行くの?」
「んー、もうそろそろ帰らないと……さすがにね…!」

あれから一週間経っていた。
ずっと二人だけで過ごしていた。
一歩も外に出ることなく、二人だけで……

「もうすぐ黒が迎えに来るから、屋敷に帰ろうね」
「………や…」
永久に抱きつく、咲愛。
「咲愛?」
「ずっとここで……永久といたい」
「俺も……ずっと、咲愛といたい。
でも、仕事があるだろ?」
咲愛は永久の胸に顔を埋めたまま、頭を横に振る。

「みんな、心配してるよ」
「………」
「別に離れるわけじゃないよ。
いつもの生活に戻るだけだよ!」
「………永久が、ここに連れてきたんでしょ!?」
「そうだね…」
「もう…ここから出たくない……!」
「ワガママ言わないで?」
「永久は、いいの?
“叔父”と“姪”に戻っても……」
「俺達は、恋人同士だよ。ずっと……」
永久は頭を撫で、微笑んだ。

「狡いよ…そんな言い方…」
「うん…ごめんね……」
「永久」
「ん?」
「黒谷さん、後…どのくらいでここに着く?」
「んー30分くらいかな?」
「だったら……」
「うん」

「30分間ずっと…いっぱいキスして?」
「え……?」
「こんなワガママなら、いい?」
上目遣いで、永久を見る咲愛。
「……/////」
「ダメだよね……
でも、永久が言ったんだよ?
ワガママ言っていいんだよ?って!」
咲愛は俯き、呟くように言った。

「……狡いのは、咲愛だよ」
「え?」
「そんな可愛いこと言われたら、ほんとにここから出したくなくなるでしょ?」
「ンンン……」
そう言って黒谷が来るまでひたすら、咲愛は永久にキス責めにあったのだった。
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