永遠に咲け

｢中森｣
｢はい、紀野のことですか？｣
｢さすがだな。
そいつ、何者？｣
咲愛が失神した為、寝かして中森を呼び出した永久。

｢何者でもありませんでした。
僕も何か魂胆があるのかと思って、調べたんですが……ほんとに純粋に告白してきたみたいです。
でも、何か気になるんですよね？｣
｢ふーん、今時…手紙って……｣
｢そうですね。
でもそれに対して返事を書く咲愛様も、びっくりですが……
まぁ、咲愛様らしいですけど｣
｢だな。
一応、気にかけとけよ！｣
｢はい、もちろんです。明日、忠告はしておこうかと………｣
｢まぁ、頼むわ！｣

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
｢━━━なので、気安く咲愛様に話しかけないようお願いします｣
朝一番に、紀野を呼び出し忠告する中森。

｢はい…｣
｢話はこれだけです。仕事に戻ってください｣
｢中森さんは羨ましいなぁ……｣
｢は？｣
｢仕事って理由づけすれば、咲愛様と一緒にいられる｣
｢だから？｣
｢あ、いえ……｣
｢代わりましょうか？でも、あなたには絶対無理ですよ。大河の人間は、レベルが違うので｣
｢代わってもらえるんですか？
やってみなきゃわかりませんよ！｣
｢………｣
正直、中森は驚愕していた。
まさか、こんな風に言い返してくるとは……
ただの、地味で暗いだけの男ではないのか？

｢フッ…！
だったら、使用人として働いてみますか？｣
｢え？｣
｢今なら旦那様も長田さんもいないので、僕に決定権があるので、あなたがそこまで言うなら働かせることできますよ｣