永遠に咲け
「え……」
「その時の写真いっぱい撮ったんです。
………その写真、買いませんか?」

「は?」
「あなたが僕と結婚してくれるなら、写真やネガ全てお渡しします」
「紀野さん……最初から、それが目的?」
「はい、ずっと考えてました。
どうすれば、あなたが手に入るか」
「酷い……こんな……」
咲愛が紀野を見上げ、睨み付けた。

「酷いのは、親不孝な咲愛様ですよね?」
「え……」
「大河 永一の娘が、禁忌を犯しているなんて…最大の親不孝ですよね。
スッゴい、ニュースですよね」

咲愛が身体が震えていた。
わかっていたはずだった━━━━

でも、禁忌を犯すとはこうゆうことなのだ。
こんな風にいつかはバレて、世間に晒され周りの人間を不幸に陥れるのだ。

咲愛はこのまま、幸せに暮らしていけると思っていた。

でも、そんなはずないのだ。
自分と永久はいい。
地獄に堕ちる覚悟はできている。

でも周りを巻き込み、地獄に堕ちるのは自分達ではなく周りの人間なのだ。

「………どうすれば、いいですか?」
「え?」
「私はお兄様と一緒なら、地獄でもどこでもいく覚悟はできてます。
でも、お父様が傷つくのは耐えられません。
だから、どうすればいいですか?」

「関係ですよ。
僕と結婚すれば、いいんですよ」
「それで幸せになれますか?」
「えぇ…なれますよ」
「嘘……」
「え?」

「私の幸せは、お兄様の傍にいることです。
あなたと結婚するくらいなら、死んだ方がいい。
お兄様の……永久の傍にいれないと意味がありません」
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