永遠に咲け
「へぇー、兄貴…よく見てるね!」
「でも、虫刺されだと思ってたみたいだけど…
それにしても最近、お兄様なんか大胆になってる。
キスマークや刺青だって!」
「うーん、まぁね!
でも刺青は、覚悟だって言ったでしょ?
だから、もう少し気持ちに正直になろうと思って!」

「………」
「……咲愛、怒ってる?
わざとに、キスマークつけたから」
「私だって、お兄様と一緒にいたい。
ずっと……」
「うん…」
「お兄様」
「ん?」
「受け取ってほしい物があるの」
「え?」
「これ…」
「え?ネックレス?」
「うん…お揃いで身につけない?」
「うん、もちろん!これって、何の花?」
「カーネーション。
“永遠の幸福”って意味があるの。それに白いカーネーションは“純粋な愛”って意味もあるんだよ!
私はお兄様と幸せになりたい。
でももし、別々の道に進むことになってもお互い幸せでいられるようにって、想いがあるの」
「うん…!でも、別々の道になんか歩ませないよ。そんなの、俺が絶対阻止する!」
そう言って、ネックレスをつけた永久。
咲愛もネックレスを身につけた。

「あ、できる限り服の中に隠してね!
約束して?」
「イヤだよ」
「だったら、外す!」
咲愛が自分のネックレスを外そうと、うなじに手をかけた。
「あー!待って!わかったから!」
「約束ね!」
そう言って、小指を永久の目の前出した。

「フフ…可愛い~咲愛!
指切りだって!」
その細い小指に永久の長い小指が絡まる。
そのままその咲愛の小指にキスをした、永久。

「約束する。
俺が、永遠に咲愛を幸せにする。
一緒に二人で、幸せになろうね!」
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