傲慢?ワガママ?悪役令嬢?それでかまわなくってよ!~聖女の力なんて使ってやるもんですか!!
王と王太子がやって来て三日が過ぎた夕刻のこと、応接室から大きな声が漏れ聞こえてきた。セリカは思わず肩をふるわせ、両手を握り絞めた。
どうしたの?
一体何が起こっているの?
セリカが応接室の前で不安に思っていると、突然応接室の扉が荒々しく開き、いつも優しく微笑んでいた王が顔を赤くして、怒りを露わにしていた。
王は応接室の前で震えるセリカに視線をやると「ふんっ」と鼻息を荒くし、ニヤリと口角を上げた。
なに?
その王の表情にセリカの体がブルリと震える。
怖い……。
そう思った。
応接室ではセリカの両親が顔を蒼白にして震えているのが見える。セリカには何が起きているのかまるで分からなかったが、両親の様子で大変な事が起こっていることは分かった。しかし震える両親に何が起こっているのか、セリカが問うことは出来なかった。