傲慢?ワガママ?悪役令嬢?それでかまわなくってよ!~聖女の力なんて使ってやるもんですか!!
謁見から~
***
オウガは謁見の間にて騎士の礼をとり頭を垂れていた。そんなオウガを見つめ、王ファルガルは嬉しそうに話し始めた。
「でかしたぞオウガよ。あの聖女を手なずけているらしいな。そのまま聖女を懐柔し、聖女の力を使うよう説得させよ」
「陛下しかし強要は出来かねます」
オウガの言葉にファルガルが眉間に皺を寄せ怒りの色を表す。
「我に逆らうな!!隣国が動き出しておるのだ……もうすぐ戦争が始まるだろう。そうなれば聖女のが必ず必要となる。そなたが出来ぬのなら違う手段に出るまでだが、分かるだろう?」
王は何をしようとしているのだ?
オウガの背中に冷たい汗が流れた。
「……仰せの通りに」
俺は王の前で頭を垂れたまま、そう答えることしか出来なかった。