傲慢?ワガママ?悪役令嬢?それでかまわなくってよ!~聖女の力なんて使ってやるもんですか!!
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セリカはティーカップを片手に天を仰いでいた。
何の考えも浮かばないまま時間だけが過ぎていく中、慌てた様子のメリルがノックもせずに部屋の中に飛び込んできた。
「セリカ様、大変です。フィールド辺境伯領にアリエント王国の騎士が進軍してきました。戦争が始まるようです」
とうとうこの日がやって来てしまった。そろそろなのではないかと皆が思っていたことだろう。この戦い、避けられるものなら避けたかった。
この戦いで私は聖女の力を使うだろう。この力は命を削る。
……それでも私はこの力を使う。
自分の命を削ってでも守りたい人がいるから。
オウガ……あなたは私が守るります。
この命に代えてもあなたを守ってみせる。
セリカは胸に手を当てると祈るように目を瞑った。