傲慢?ワガママ?悪役令嬢?それでかまわなくってよ!~聖女の力なんて使ってやるもんですか!!
女神リレイニア
***
『セリカ、セリカ、目をお開けなさい。私の声が聞こえますか?』
「…………」
直接脳に語りかけてくるような声……。
ここは?
起きたばかりの頭は回っておらず、セリカはボーッと目の前の景色をながめた。
音が全くしない、ここは一体どこなの?
セリカの見つめる先は白く、なにも無い世界が広がっていた。
何処までも続く白い世界。
自分が立っている場所が地面なのかさえわからない。方向感覚も麻痺し、上なのか下なのかも分からなくなる。
白い無音の世界に立ち尽くしていると、ゾクリと背中に悪寒が走った。
もしかしたら自分は死んでしまったのかもしれない。
そんなことを考えていると、また頭の中に先ほどの声が響き、目の前に金髪の美しい女性が現れた。
『セリカ……やっと会えましたね』
だれ?
直接頭の中に響いてくる声に唖然とするセリカ。
この声は眠りから覚める前に聞いた声……。
「あなたは?」
『そうですね……人々は私をこんな風に呼びますね。私はこの世界の断り、世界の始まり、時の支配者、リレイニア』
「リレイニア……」
セリカはその名前に聞き覚えがあった。
「あっ……、あなたは女神リレイニア……様なのですか?」
『確かに女神と呼ぶ人もいますね』
クスクスと笑うリレイニアを見つめセリカは固まった。
そして一つの疑問が頭に浮かぶ。
「オウガは……オウガはどうなったのですか?」
『オウガならここにいますよ』