傲慢?ワガママ?悪役令嬢?それでかまわなくってよ!~聖女の力なんて使ってやるもんですか!!
*
セリカが目を瞑ると、あたまの中にリレイニアの声が聞こえてきた。
『セリカ、あなたの中にあった癒やしの力を消失させます。その代わりほんの少しの祝福を与えます』
癒やしの力の消失……。
少しの祝福?
『セリカ……幸せに……』
目を閉じていてもわかる強い光が落ち着いたのを感じ、セリカはそっと目を開いた。
ここは……。
そこは戦場だった。
そしてセリカの膝の上に頭をのせ、胸には血痕を残すオウガ。
先ほどリレイニア様に会っていたのは夢だったのだろうか?
それならオウガは……。
セリカは震える手でオウガの頬に触れる。すると少し顔を歪めたオウガが目を開けた。セリカを見つめるその瞳は美しく透き通る青い色、私の大好きなオウガの色だ。
生きている……。
「オウガーー!!」
セリカは泣きながらオウガを抱きしめると、オウガもセリカを抱きしめた。
その様子を見守っていた騎士達から歓声が上がった。
「「「オウガ、生きてるぞ!!聖女様の力だ。万歳!!」」」