傲慢?ワガママ?悪役令嬢?それでかまわなくってよ!~聖女の力なんて使ってやるもんですか!!
幸せな未来へ
*
セリカ達が戦場から戻り二週間が過ぎていた。女神リレイニアと出会った奇跡の日から毎日忙しい日が続いている。
それというのも、アイド二ア王国はアリエント王国に敗戦し、敗戦から一週間後王族であるファルガルとファルロは処刑され、今後この国をどうしていくのか、全てはアリエント王に委ねられていた。
そんなある日の午後、元アイド二ア王国の王城の謁見の間にセリカとオウガは呼ばれていた。以前はファルガルが座っていた玉座に、今は違う人物が座っている。その人物は目の前で頭を垂れるオウガとセリカを見つめ、不敵な笑みを浮かべた。
セリカの目の前で微笑む人物は上質なベルベットのマントの下に同色の美しいドレスを着ていていた。体のシルエットがはっきりと分かるマーメイドラインのドレスは、胸とお尻を強調したデザインだが、目の前の人物が着るとドレスはまったくと言って良いほど下品な感じはなく、気品のみが漂ってくる。
その人物とは、アリエント王国女王、エリアノ・チェザリー・アリエント陛下だ。エリアノ陛下は妖艶に口角を上げた。
「二人とも面を上げよ」
セリカとオウガはゆっくりを頭を上げ、エリアノ陛下と目を合わせた。セリカはこの時、初めてエリアノ陛下と対面した。
まさか隣国の王が女王陛下だったなんて……。
驚愕するセリカを横目に、オウガは何度か陛下と合っているため、落ち着いた様子で挨拶交わしている。セリカは緊張を隠すことが出来ず、震えるながら挨拶の言葉を口にした。
「エリアノ陛下お初にお目にかかります。わたくし、セリカ・アシュ・フィールドと申します」
小動物のように震えるセリカを見つめながらエリアノは微笑んだ。
「聖女とはどのような人物かと思っていたが……随分と可愛らしいな。のう、オウガよ」
さも面白そうに問う陛下。それをオウガはサラッと流し発言する。
「はい。セリカ様は可愛いだけではありません」
おっ…オウガ。
陛下の前で何を言っているの!!
パクパクと口を動かすが声の出せないセリカを見ながら、エリアノが話を続ける。