強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】

さっきからずっと聞きたかった事を聞いてみる。

「教育係してた時から向井とはよく飲みに行ってて。
そん時、必ず毎回向井の口から一華の話題が出んの。
で、さっきも言ったけど、その向井の顔が毎回妙に優しくて、一体どんな女なんだ向井にこんな顔させる奴は、って気になり出したのが始まり。それから社内で一華の存在を気にするようになって。
最初は好奇心からだったのに、総務の仕事でいつも一生懸命社内を駆け回ってるお前が何かだんだん可愛く見えてきちまって、1年前一緒に飲んだ時にはもう完全に好きだって自覚した」

私の髪を優しく梳きながら、愛おしそうに目を細める。

…そんなに前から部長は私のこと見てくれてたんだ。

「…っていうか一華は?俺、向井にベタ惚れの一華落とすの、長期戦覚悟してたんだけど」

「…うーん…いつ、って具体的なのは多分なくて。部長と一緒で、いつの間にかじわじわと部長が私の心に棲みついていたというか…」

あ!でも!と私は続ける。

「ビジネスホテルでのあのキスは、間違いなく部長を意識するきっかけでした!」

そうだ。

"男の枠にカテゴライズしてもらおうか"

その辺りから多分私は部長を意識し出したんだと思う。

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