強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
いやいや、全然大したことしてないので!とお断りしたけど、

「ううん、私はとっても助かったから。それに夏バテには塩分補給大事だからね。これ食べて午後も頑張って!」

じゃあそろそろ行かなくちゃ、ほんとにありがとうね!と、何度目かのありがとうを私に告げて、塩タブレットの袋を私に握らせたままお姉さんは去って行ったのだった。


私も残りのざる蕎麦を食べてお会計を済ませ店を出た。

片道たった徒歩5分の距離なのに、さっきまでクーラーで冷やされていた身体に不快な暑さが纏わりつく。

さっきお姉さんにいただいた塩タブレットを1つ袋から出して、お姉さん、いただきます、と心の中で呟いてから口へ放り込む。
梅味の酸っぱさが美味しく感じられた。
ちなみに他にレモン、グレープ、ピーチ味が入っているらしい。

やっとのことでエントランスまで帰ってくると、心なしかいつもよりも騒ついている気がした。
お昼時はランチに出る人や戻ってくる人でいつも賑やかなエントランスだけど、なんていうかいつもとは違う感じ。

ちょっと不思議に思いながらも総務部へ戻り自分の席に着くと、隣の席の真子ちゃんが一華さん、聞きました⁉︎と目をキラキラさせて話しかけて来た。
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