強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
…うん、ちょっとでもよからぬ想像をしちゃった自分が恥ずかしい。

ごめん、部長。

心の中で謝りながら「アイスコーヒーお持ちしました」とコースターを敷いてまずはお客様へ。

そしてコーヒーを置いた時、「ありがとうございます」と言ってくれた女性の方を見て私は、あっ!と思わず声を上げてしまった。

「…あれっ?ひょっとしてさっきの!藤吾の会社の人だったんだ!」

彼女の方もびっくりした顔で私を見ている。

「なんだ、2人とも、顔見知りか?」

部長が目を丸くして驚いているけれど、私も負けず劣らず驚いていた。

だって、そこに座っていたのは、さっきお蕎麦屋さんで相席したお姉さんだったから。

部長と名前で呼び合い、親しげな空気を醸し出していたという噂の女性が、まさかあのお蕎麦屋さんで会ったお姉さんだったとは。

「さっきお蕎麦屋さんで相席したの。ねっ?」

「はっ、はい!」

「で、私が服におつゆ飛ばしちゃったんだけど、染み取り剤貸してもらってすごく助かっちゃった」

「いえっ、こちらこそ塩タブレットありがとうございました!」
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