強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
「え、なかったっけ?」

「ないですから!」

「あっはは!」

面白そうに豪快に笑う部長。

その目尻に寄った皺が社内の女子たちを虜にする噂の笑い皺である。

「…もう!パンツパンツうるさいですよ!それ、立派なセクハラですからね?」

「えー、俺とお前の仲でもセクハラって成立する訳?」

「だから誤解を招くような言い方しないで下さいよ」
  
「くくっ、ほんとお前揶揄うとおもしれぇ」

「私で遊ばないでもらえますか!」

「とにかく貸せ。俺やるから」

そう言って外したばかりの蛍光灯を私から取り上げ、下に置いていた新しい蛍光灯を手に脚立に上ろうとするから、

「わ!待って下さい今降りますから!」

と私は慌てて脚立を降りる。

入れ替わりで部長は蛍光灯片手にひょいひょいっと器用に脚立を上り、カチャカチャ、とあっという間にそれを取り付けてくれた。

「ほい、完了」

「……ありがとうございます」

「いーえ」

脚立から降りてきた部長が不意に私の顔を覗き込む。
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