強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
「…好きだなぁ」
「…え?」
ここは職場から程近い大衆居酒屋。
ノー残業デーの水曜日の夜。
店内は騒がしい気はするが、だからって掘り炬燵になった半個室の部屋では相手の声が聞き取りにくいくらいかというと特にそういうこともなく。
だから思いがけずぼそりと溢れたそれは、目の前に座って「お前ほんと美味そうに食うよな」なんて片手で頬杖つきつつビールを煽り、にっ、と微笑んでいる同期の向井 大地(ムカイ ダイチ)に真っ直ぐに届いてしまったようだった。
さっきまで私が頼んだアジフライに何をかけるかの下らない論争で盛り上がっていたのに(ちなみにかけたのは醤油)、何の脈絡もなく口を突いて出てしまった。
…やってしまった…
むしろ周囲の喧騒に掻き消されてしまえば良かったのに…
せめて咀嚼音がバリボリ響くような物を食べている時に漏れ出ればよかったものを…
アジフライのサクッサクッという音では到底掻き消せない。
…これはヤバイぞ…
「…え?」
ここは職場から程近い大衆居酒屋。
ノー残業デーの水曜日の夜。
店内は騒がしい気はするが、だからって掘り炬燵になった半個室の部屋では相手の声が聞き取りにくいくらいかというと特にそういうこともなく。
だから思いがけずぼそりと溢れたそれは、目の前に座って「お前ほんと美味そうに食うよな」なんて片手で頬杖つきつつビールを煽り、にっ、と微笑んでいる同期の向井 大地(ムカイ ダイチ)に真っ直ぐに届いてしまったようだった。
さっきまで私が頼んだアジフライに何をかけるかの下らない論争で盛り上がっていたのに(ちなみにかけたのは醤油)、何の脈絡もなく口を突いて出てしまった。
…やってしまった…
むしろ周囲の喧騒に掻き消されてしまえば良かったのに…
せめて咀嚼音がバリボリ響くような物を食べている時に漏れ出ればよかったものを…
アジフライのサクッサクッという音では到底掻き消せない。
…これはヤバイぞ…