強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
「あぁ、だろうな。何しろこいつは俺を本気にした女だからな」

真っ直ぐ、力強く何の迷いもなくそう告げる部長。

…うわ…

何か今胸にズドンと来た。

カッコ良すぎないか?部長…

いつも人を面白半分に揶揄っている人とは思えない。

"心に決めた人" "俺を本気にした女"

私はただの代役なのに、自分が想われているなんて錯覚してしまうくらい迫真の演技だ。

それでもなお疑いの眼差しを向けてくる女性を前に、部長は更なる爆弾を放った。

「あ、一華、これ昨日俺の家に忘れて行ってたぞ?」

…へ?

部長の家には一度も行ったことございませんが…?

と思いながら部長が私に向かって差し出した手のひらに視線を落とすと、そこには小粒なパールが横に3粒並んだイヤリングが1つ。

それは…!

昨日藤よしで外してテーブルに置いたまますっかり忘れて帰ってしまったイヤリング。

きっと慶子ママが気付いて保管してくれてるだろうから次行った時に聞いてみよう、そう思っていたのに、まさか部長が持っていたなんて!
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