強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】

しかもそれを部長の家に忘れていったことにしている。

どういうことだー！

イヤリングから視線を上げてあわあわしながら隣の部長を見やる。

するとガタッ！と音がして、音のした方、つまり向かいの女性の方にハッと視線を向けたと同時に、鬼の形相をした彼女にバシャッ！とコーヒーをかけられた、という訳である。


＊＊＊


「水かけられるのとかはドラマで見たことありますけど、コーヒーかけられるなんて、あります…？」

頭からぶっかけられなくて良かった。
不幸中の幸いとでも言おうか。


結局店員さんの持って来てくれたタオルでコーヒーの滴る身体を拭かせてもらい、コーヒーの染み込んだ服は拭くことを諦めた。

とりあえず部長が着ていた薄手のカジュアルなジャケットを私の肩に掛けてくれ、コーヒー染みをかくしつつ部長の提案で駅前のビジネスホテルに入った。

コーヒーまみれでベタベタの身体を洗い流して着替えるためである。

「くく…っ悪かったよ、巻き込んで…っ」