強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
だから向井は何の気兼ねもなく私を飲みに誘うし、2人で半個室の居酒屋にだって来る。

何というか、性別を超えた友達なのだ、彼にとって私という存在は。


それ故にいつから芽生えたか定かではないこの恋心はそっと胸にしまっていたのだが、たった今その恋心は胸から飛び出し、それだけでは飽き足らず喉を通り過ぎた挙句口に乗って出ていってしまった、よりにもよって本人の元へ。


意図せず、それはもう無意識に。


「…好きって、三好…?」

あぁ、うん、このアジフライ、好きだなぁって。

そう言えばきっと誤魔化せる、この告白はなかったことに出来る、そう思ったけど私は気づいてしまった。

自分の顔に熱が集まっていることに。

決してお酒のせいではない。

だって私はお酒に強い。

どんなに飲んでも顔には出ないタイプだ。

そしてそれは何度となく一緒に飲んでいる向井には周知の事実。

じゃあこの顔に集まる熱は何か。
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