強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】

「…三好以外に適任者はいない」

「…え?」

ぼそりと呟かれた部長のその声は、突如大きく響いた部屋の空調の音に掻き消されてよく聞こえなかった。

「…いや、何でもねぇ。…っていうか三好、いくらビジネスホテルとはいえ男とホテルに2人っきりなのに、さっきから色々無防備過ぎねぇ?」

眉間に皺を寄せながら指摘される。


…この状況を冷静に指摘されると、急に意識しちゃうからやめて欲しい。

部長の前でついうっかりパジャマで出て来てしまったこととか。

今座っている場所がベッドだということとか。

「…そもそもこういう状況になったのは部長のせいですし」

すーっ、と部長から視線を逸らす。

「あぁ、それは悪かった」

「それに部長は私の中で上司で飲み友達というカテゴリーに属していて男にはカテゴライズされていませんので大丈夫です!」

一気に捲し立てる。

何が大丈夫なんだか、自分で言っててさっぱりわからないけど!

「…ふーん?」

部長がおもむろに立ち上がり近づいてくる。
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