強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
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案の定ベロンベロンに酔っ払った小野を、帰る方向が一緒の向井に押しつ、いや、任せ、22時過ぎには解散になった。

今日も朝からすごい勢いで降り続いていた雨が、居酒屋を出る頃にはすっかり止んでいた。


自宅最寄駅の改札を出て、せっかくだから藤よしに〆のお茶漬けでも食べに行こうかな、と思い大通りの2つ目の路地を曲がる。

するとまぁまぁ大きい水溜りが目の前に出現。

これは…飛び込みたい…
 

たぶん大半の人たちが、子供の時水溜りを見つける度にぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらんした経験があると思う。

大人になると自然とそんなこともしなくなるけれど、私は未だに水溜りを見るとぴちぴちちゃぷちゃぷらんらんらんしたくなってしまう衝動に駆られる。

しかも今日は強かにアルコールを摂取していて楽しい気分だ。

おまけに今朝から大雨だったため足元はレインブーツ。

そしてここは人通りの少ない路地裏。

これは今やらずしていつやるんだ!

キョロキョロ。

周りに人がいないことを確認して、私はえいっ!と水溜りに飛び込んだ。
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