強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
何か部長が残業してたのに、呑気に飲み会なんかしていてちょっと申し訳ない気持ちになる。

「…部長が残業してたのに、何か飲んでてすいません」

「いや、それは別にいーんだけど。お前も向井も田口も、ちゃんと自分の仕事片付けてから行ってる訳だし。たまには息抜きしねぇとな」

…理想の上司か!

「…で?どのくらい飲んだ」

味噌汁をずずっと飲みながら私の答えを待つ部長。

「生ビール2杯に日本酒3杯、あれ4杯だっけ?そのくらいです。でも私強いから酔ってませーん」

「…あのな。本当に酔っ払ってる奴が私酔ってまーすって言うかよ。私酔ってまーすって言う奴は大抵下心ある奴ばっかなんだよ」

…ごもっとも。

「それに三好は顔には出ねぇけど、態度に出んだよ。なんつーか、柔らかくなる」

"柔らかくなる"

そう言った部長の顔が妙に優しくて、ドキッとした。

そして急に蘇る、土曜日の記憶。

うぁぁぁー!

何気に土曜日以来まともに会うのは今日が初めてだ。

何で私今まで意識せずにいられたんだろう。

お酒のせい?

水溜りのせい?
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