強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
仕事は出来るのにいつも人のことを揶揄ってばかりの大柄な男が、今は無防備でなんだか子供みたいだ。

しかも寝顔が可愛いなんて、反則。

薬が効いて来たのか思いの外規則正しく繰り返される寝息を聞いて、ちょっと安心する。

今のうちにシャワーだけ浴びて来よう。


***


急いでシャワーを済ませて寝室へ戻ると、相変わらず規則正しい寝息を立てている部長。

良かった。

ベッドの側にペタンと座り、両腕をベッドに置いてその上に自分の頭を乗せる。

そうやってしばらく部長を眺めていたらなんだか私も眠くなってきた。

そうなるともう上瞼と下瞼が引き合う力には逆らえず、私はベッドに乗せた両腕に頭をもたれさせたまま、意識を手放したーー。


***


「…よし…三好」

微かに私を呼ぶ声と、頭を撫でられる感触で目が覚めた。

「…ぶ、ちょう…?……!熱は⁉︎」

ガバッと頭を持ち上げると、ベッドから上半身を起こしている状態の部長と目が合った。

「あぁ、今測ったら37度2分。だいぶ楽になった」

じぃっ、と顔を見つめてみるが、顔色も昨日よりはいい。
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