強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
どうやら強がりを言ってる訳じゃなさそう。

完全に下がったとは言えないけれど、昨日に比べたらだいぶマシだ。

「良かった…水!飲みます⁉︎」

水と一緒に置かれているデジタル時計を見れば、朝の6時過ぎだった。


「ん、そこにあったのもらった。三好、悪かったな、面倒掛けて」

しかも俺がベッド占領したせいでそんな所に寝かせちまって、と、また私の頭を優しく撫でながら申し訳なさそうに付け加える部長。

「…何そんなしおらしいこと言ってんですか。らしくないですよ?病人は病人らしく、甘えてればいいんです」

それに私、弱ってる時くらいしか優しくしないですよ?

ニヤリと悪戯っぽく笑ってそう言えば、申し訳なさそうだった部長の顔が破顔した。

「お前、良い奴だな」

「え、今頃気づいたんですか?」

「いーや。知ってた」

そう言って私を見つめる部長の笑顔があまりに優しいから、全く防御態勢を取っていなかった私にその笑顔はするりと入り込んで、容赦なく私の心臓をつついた。

すると頭に乗っていた部長の大きな手がすっ、と頬に伸びて来て、ハッと我に返る。
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