強引上司は虎視眈々と彼女を狙ってる【7/12番外編追加】
……このパターンは……!
ずさっ、と後ろに飛び退く。
「…お、学習してんじゃん」
くくっ、と面白そうに笑う部長に、勘弁して下さいよ…と私。
「…揶揄う元気、出て来ましたね?」
「もう簡単にキス出来ねぇか。ちぇっ」
「…ちぇっ、じゃないですよ、もう!」
この人の本領発揮だ。
このまま土日でしっかり休めば完全回復できるだろう。
「三好のおかげで回復したから、俺そろそろ帰るわ。サンキューな」
ベッドから長い足を出しながらスウェットだけこのまま貸しといて、洗濯して返すわ。と言った部長がはた、と着ているスウェットを見下ろして、
「…そう言えばこれ、サイズ的にお前のじゃないよな?俺で丁度いいし。…ひょっとして元カレの、とか?」
部長が微妙な表情をしている。
「…違いますよ!弟のです!まだ大学生なんですけど、たまに終電逃したとか言って転がり込んでくるんです。だから弟用に置いてあるやつです」
「なんだ弟のか。…ふーん、そっか、弟ね」
………?
何でちょっと嬉しそうなんだ、部長。